€ 観音様はこんな方


観音菩薩(かんのんぼさつ)とは?

観音菩薩は、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を略した名前で、
親しんで観音様と呼んでいる人もいます。
『般若心経』では観自在菩薩(かんじざいぼさつ)ともいわれます。
現世利益があって美しいということで、
大人気の菩薩ですが、その正体はどんな菩薩なのでしょうか?

観音菩薩の名前の由来・音を観るとは?

「観世音」というのは、鳩摩羅什(344~413)年という三蔵法師が、
インドの言葉から翻訳したものです。
その後玄奘(602~664年)という三蔵法師が、
こちらが正確だとして「観自在菩薩」と改めました。
皆さんご存じの般若心経の頭出しが観自在菩薩ですが、これは玄奘が訳したのが流通しているからなのです。
尤も 『法華経』に、世の中の衆生が苦しみ悩む音声を観じて救う
と説かれているので観世音でも問題はありません。
さらに、「観音菩薩」のほうが言葉としても言いやすく、
今でも観音菩薩のほうが言い方としては多いですね。

観音菩薩は、仏教を求める人が苦しむとき、
その声を聞いて守ってくださるのです。







観音様のご利益

観音様のご利益としては
『法華経』の中の『観音経』(妙法蓮華経 観世音菩薩普門品 第二十五)に、
大きな火に投げ込まれても火が池になって助かるとか
大海を漂流しても波に沈まないとか、
敵に囲まれても助けてくれるとか、
権力者に捕まって処刑されそうになっても刀が折れるとか、
手枷(てかせ・手錠のこと)がはめられてもほどけて自由になるとか、
悪鬼や毒龍に害されないとか、
蛇やさそりは逃げていくとか、
具体的に色々説かれています。

世尊妙相具 我今重問彼 佛子何因縁 名為観世音
具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億佛 発大清浄願
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
假使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
或在須彌峯 念彼観音力 如日虚空住 或被悪人逐
堕落金剛山 念彼観音力 或値怨賊繞 各執刀加害
念彼観音力 或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力
刀尋段段壊 或囚禁枷鎖 手足被丑械 念被観音力
釋然得解脱 呪詛諸毒薬 所欲害身者 念被観音力
還著於本人 或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念被観音力
時悉不敢害 若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念被観音力
疾走無邊方 元蛇及蝮蠍 気毒煙火然 念被観音力
尋声自回去 雲雷鼓掣電 降雹樹大雨 念被観音力
応時得消散 衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力
能救世間苦 具足神通力 廣修智方便 十方諸国土
無刹不現身 種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦
以漸悉令滅 眞観清浄観 廣大智慧観 悲観及慈観
常願常瞻仰 無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火
普明照世間 悲體戒雷震 慈意妙大雲 樹甘露法雨
滅除煩悩焔 諍訟経官処 怖畏軍陣中 念被観音力
衆怨悉退散 妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音
是故須常念 念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄
能為作依怙 具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量
是故応頂禮

爾時持地菩薩即従座起前白佛言

世尊若有衆生聞是観世音菩薩品自在之業普門
示現神通力者当知是人功徳不少

佛説是不門品時衆中八萬四千衆生皆発無等等
阿耨多羅貌三菩提心




七難と六観音

これを天台宗を開いた智顗(ちぎ538~597年、天台大師)というお坊様が まめとめたのが「七難」です。 

「七難」とは、
1.火難(火災・山火事・噴火等) 
2.水難(大雨・洪水・津波等)
3.羅刹難(悪鬼による苦しみ)
4.刀杖難(暴力)
5.鬼難(悪霊による苦しみ)
6.枷鎖難(冤罪で手錠や鎖で囚われる難)
7.怨賊難(恨みによる被害や強盗)
の7つです。この七難を免れるということです。

七難と言えば七福ついでに探しましたら天台宗のHPでhttp://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=61がありました。なるほど。)

おまけの七福図へ

しかも人々を救うために、
様々な姿になって現れると教えられています。
どんな姿でしょうか?

観音菩薩の種類 七観音
中でも特に有名な六観音は、六道の人々を救うと言われ、以下のように対応しています。
天台系と真言系では六観音の選択が違います。便宜上一つの表にしました。



地獄界
聖観音  総代表的観音で正観音とも
オン・アロリキャ・ソワカ

キリク餓鬼界
千手観音 絶大な力を持つ
オン・バザラ・タラマ・キリク
カーン畜生界
馬頭観音 怒り顔
オン・アミリト・ドハンバ・ウン・ハッタ
キャ修羅界
十一面観音 あらゆる方角が見える
オン・ロケイ・ジンバ・ラ・キリク・ソワカ
 / オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ

モゥ人間界 天台系
不空羂索観音 羂索という投げ縄で苦しむ人を救う
オン・アボキャ・ビジャシャ・ウン・ハッタ
 /  オン・ハンドマダラ・アボキャ・ジャヤデイ・ソロソロ・ソワカ
 / オン・アモキャ・ハラチカタ・ウンウン・ハッタ・ソワカ

人間界 真言系
准胝観音 女性
オン・シャレイ・ソレイ・ソンデイ・ソワカ

キク天界
如意輪観音……思い通りの宝を出し、煩悩を破する説法をする
オン・ハンドメイ・シンダ・マニ・ジンバ・ラ・ウン


他に有名な観音様の咒です
白衣観音  オン・シベイテイ・シベイテイ・ハンダラ・バシニ・ソワカ
楊柳観音  オン・バザラダラマ・ベイサジャ・ラジャヤ・ソワカ
六字大明呪   オム・メ・ニ・ペ・メ・フム / オーム・マニ・ペーメエ・フーム
チベットの巡礼者が五体投地をしながら(身)オンマニペメフムと唱えながら(口)観音様を思い(意)聖地に向かっている姿を御覧になった方もいらっしゃるでしょう。
身口意=三密の瑜伽(ヨガ)の実践ですばらしいことですね。



三十三身

また『法華経』には、六観音どころか、「三十三身」という、
三十三通りの姿になって現れると説かれています。

観音が世を救済するに、広く衆生の機根(性格や仏の教えを聞ける器)に応じて、種々の形体を現じる。これを観音の普門示現(ふもんじげん)という。法華経「観世音菩薩普門品第二十五」(観音経)には、観世音菩薩はあまねく衆生を救うために相手に応じて「仏身」「声聞(しょうもん)身」「梵王身」など、33の姿に変身すると説かれています。
ただ「三十三観音」とは、法華経の所説に基づき、中国及び近世の日本において信仰されるようになったものであって、法華経の中に三十三種の観音の名称(後述)が登場するわけではないのです。

三十三身の種類
(1)仏身(ぶっしん) (2)辟支仏身(びゃくしぶつしん) (3)声聞身(しょうもんしん)
(4)大梵王身(だいぼんおうしん) (5)帝釈身(たいしゃくしん) (6)自在天身(じざいてんしん)
(7)大自在天身(だいじざいてんしん) (8)天大将軍身(てんだいしょうぐんしん) (9)毘沙門身(びしゃもんしん)
(10)小王身(しょうおうしん) (11)長者身(ちょうじゃしん) (12)居士身(こじしん)
(13)宰官身(さいかんしん) (14)婆羅門身(ばらもんしん) (15)比丘身(びくしん)
(16)比丘尼身(びくにしん) (17)優婆塞身(うばそくしん) (18)優婆夷身(うばいしん)
(19)人身(じんしん) (20)非人身(ひじんしん) (21)婦女身(ふじょしん)
(22)童目天女身(どうもくてんにょしん) (23)童男身(どうなんしん) (24)童女身(どうにょしん)
(25)天身(てんしん) (26)龍身(りゅうしん) (27)夜叉身(やしゃしん)
(28)乾闥婆身(けんだつばしん) (29)阿修羅身(あしゅらしん) (30)迦樓羅身(かるらしん)
(31)緊那羅身(きんならしん) (32)摩?羅迦身(まごらかしん) (33)執金剛身(しゅうこんごうしん)

無盡意菩薩白佛言。世尊。觀世音菩薩。云 何遊此娑婆世界。云何而爲衆生説法。方 便之力。其事云何。佛告無盡意菩薩。善男 子。若有國土衆生應以佛身得度者。觀世 音菩薩。即現 佛身 而爲説法。應以辟支佛身得度者。即現 辟支佛身 而爲説法。應以聲聞身得度者。即現 聲聞身 而爲説法。應以梵王身得度者。即現 梵王身 而爲説法。應以帝釋身得度者。即現 帝釋身 而爲説法。應以自在天身得度者。即現 自在天身 而爲説法。應以大自在天身得度者。即現 大自在天身 而爲説法。應以天大將軍身得度者。即現 天大將軍身 而爲説法。應以毘沙門身得度者。即現 毘沙門身 而爲説法。應以小王身得度者。即現 小王身 而爲説法。應以長者身得度者。即現 長者身 而爲説法。應以居士身得度者。即現 居士身 而爲説法。應以宰官身得度者。即現 宰官身 而爲説法。應以婆羅門身得度者。即現 婆羅門身 而爲説法。應以比丘比丘尼優婆塞優婆夷身得度者。即現 比丘 比丘尼 優婆塞 優婆夷身 而爲説法。應以 長者 居士 宰官 婆羅門婦女身 得度者。即現婦女身而爲説法。應以童男童女身得度者。即現 童男 童女身 而爲説法。應以 夜叉 乾闥婆 阿修羅 迦樓羅 緊那羅 摩?羅伽 人非人等身得度者。即皆現之而爲説 法。應以執金剛身得度者。即現 執金剛身 而爲説法。無盡意。是觀世音菩薩。成 就如是功徳。以種種形遊諸國土度脱衆 生。是故汝等。應當一心供養觀世音菩薩。 是觀世音菩薩摩訶薩。於怖畏急難之中能 施無畏。是故此娑婆世界。皆號之爲施無 畏者。




三十三観音





1. 楊柳(ようりゅう)
応身慈悲にして楽欲に応同すること楊柳の春風に靡くが如し
枝垂れ柳の枝を持つ姿。





2. 持経
声聞身
手にお経の巻物を持つ。





3. 龍頭(りゅうず)
天身、竜身、夜叉身に対応。
人間の頭を持つが、後光の後ろから龍の尾が出ているのが見える。
雲をまとった東洋龍に騎乗する。





4. 円光(えんこう)
両手は合掌している、
背後からは阿弥陀如来の様に
放射状に後光がさしている。



5. 遊戯(ゆげ)
如意輪観音のように片膝をたてたラフなポーズ。
腕の数は二本である。





6. 蓮臥(れんが)
小王身。
蓮の上に座り、別の蓮のある水中に向かって合掌している。
仏像、仏画は三十三観音のうち唯一
「あっち側」を向いた姿で造形される。



7. 白衣(びゃくえ)
三十三観音の中でも特に有名な変化身。
白衣は在家の修行者の衣でもある。
元は女性尊だが、比丘身と比丘尼身双方に対応。



8. 滝見(たきみ)
水面から出た巌の上に座り、
傍らに落ちる滝を眺める姿




9. 施薬(せやく)
右の掌を頬にあて、水辺から蓮華をみつめる姿。





10. 徳王(とくおう)
梵王身。
実をつける茎の長い植物を持っている。



11. 魚籃(ぎょらん)
魚籃(ぎょらん)とは魚を入れる篭のこと。
魚に乗っていることもある。



12. 水月(すいげつ)
辟支身。
水に浮かぶ巨大な蓮の花びらに乗り、
夜空の月が水面に映る情景の中で足って合掌している。



13. 一葉(いちよう)
宰官身。 巨大な蓮の葉の上に座す観音。
伝承によると宋への船旅で病気になった道元を
治したり海難から守ったりしたという。



14. 威徳(いとく)
天大将軍身に対応するが、手に持つのは武器ではなく花である。




15. 青頚(しょうけい 青頭とも)
インド由来の姿。
萎れた草が入った瓶を脇に置いている。
シヴァ神が龍王の毒を飲み干し首が
青くなった説話が取り入れられたもの。
大自在天身ではなく仏身に対応する。



16. 延命(えんみょう)
岩に肘をつき、そちらの手のひらを頬に?あてている。




17. 衆宝(しゅうほう)
長者身。
片足をつき、もう一方は前になげだすという遊戯観音よりも
更にリラックスしたポーズ。



18. 能静(のうじょう)
岩の上に両手をおろし、肘から先を伏せている。
ロケーションは海辺である。



19. 岩戸(いわと)
水月観音同様情景とセットな姿。
岩戸の中で座し、両手を定印のかたちにして瞑想している。



20. 阿耨(あのく)
滝見観音同様滝を眺める姿。
足場は岩のようにゴツゴツしてはおらず、
平坦な水辺といったところ。



21. 阿麽提(あまだい)
毘沙門天身。
岩が突き出たテラスに横向きに左膝を立てて座り正面を見ている。



22. 瑠璃(るり)
自在天身。
水に浮かぶ蓮華の花弁の上に立ち、両手で瑠璃の香炉を持つ。



23. 葉衣(ようえ)
帝釈身と対応。
両手を組んで磐の上に座している。

24. 多羅尊(たらそん)
多羅菩薩が変化身として取り入れられた姿。
雲の上に立ち、右手をおなかにあてている。



25. 蛤蜊(こうり)
ハマグリの上に座すという他に類をみない姿。



26. 普悲(ふひ)
大自在天身と対応。
両手を衣の長い袖の中にしまっている。



27. 六時(ろくじ)
居士身。
六時とはかつて一日を六つの時間帯に区切った事に由来する名。
冊子状のお経「梵篋(経冊)」を持つ事から梵篋観音とも呼ばれる。



28. 馬郎婦(めろうふ)
婦女身。
羽衣をまとう上流階級の女性のような姿。



29. 合掌(がっしょう)
婆羅門身。一般的な仏像でもよくみられる蓮の
台の上に立ち合掌している。



30. 不二(ふに)
執金剛身。
円形の蓮の葉の上に立ち、
両手を下向きにして軽く組むように重ねている。



31. 一如(いちにょ)
雲上の蓮の台に座し、かたひざを立て、
建てた膝を両手で抑えている。



32. 持蓮(じれん)
童男身・童女身。
背格好がやや低く、手に持つ蓮華が大きく見える。



33. 灑水(しゃすい)
清めに使う水を入れる灑水器を左手に、
その水を撒くための散杖を右手に持って立っている。



観音菩薩は、このような多くの姿で現れ、
仏教を求める人に現世利益をもたらすと説かれています。

そのため、観音菩薩がこのような様々な姿で現れるのには目的と理由があるのですが、
それがだんだんずれてきて、
インドでも中国でも日本でも仏教の伝えられた広い範囲で、
仏像(菩薩像)が作られ、信仰されてきました。





日本でも、仏教が伝来して以来、
国を護って欲しいと願って観音像が作られてきましたが、
やがて、個人の欲望を満たして欲しいと願う人が増えてきました。


しかし、欲望には限りがなく、満たしきって救うことは不可能です。

単なる欲望を聞き届けるような現世利益は、本来の 仏教の目的とは異なります。

現世利益 二世安楽 人間って欲張りですね。
浄土教が観音信仰と最強のタッグを組むことになります。


観音菩薩は阿弥陀如来の慈悲の現れとされます。

『悲華経』によれば、阿弥陀如来が出家さる前、
王様だった頃、たくさんの子供がありました。
その長男が後に出家して観音菩薩となったと説かれています。

阿弥陀如来が出家して仏のさとりを開かれたあと、
次に仏のさとりを開くのが観音菩薩だとも説かれ、
多くの経典に、阿弥陀如来の脇士であると説かれています。

例えば密教のお経である
『金剛恐怖集会方広儀軌観自在菩薩三世最勝心明王経』には、
「無量寿如来は、諸の相好を具し、光明熾盛なり。
仏の右辺に於いて、観世音自在菩薩あり」
と説かれています。

「無量寿如来」とは阿弥陀如来のことですから、
その右側の脇士が観音菩薩だということです。

また、阿弥陀如来の分身であるとも説かれていますから、
観音菩薩は、阿弥陀如来の化身なのです。

観音様のご利益を頂く方法

このように、観音菩薩は、阿弥陀如来の慈悲の現れですから
観音菩薩の説く法は、
「すべての人を必ず絶対の幸福に救う」
という阿弥陀仏の本願です。
観音菩薩は、阿弥陀仏の本願を勧め、
阿弥陀仏の本願を求める人を守る菩薩なのです。

ではどうすれば観音菩薩のご利益があるかというと、
阿弥陀仏に救われた人には、
阿弥陀仏は数え切れないほどの観音菩薩をつかわし、
無数の観音菩薩は常にかげのように寄り添って護り続け、
すぐれた友達になってくれると教えられています。

そして、阿弥陀如来に救われて極楽浄土に往生した人は、
苦しみ悩む人々を救うために色々な姿でこの世へかえってくるのですが、
それを、観音菩薩が三十三通りの色々な姿になって現れると説かれているのです。

このように、観音菩薩のご利益があるのは、
阿弥陀如来のお力によって、絶対の幸福に救われた人です。・・・





おまけスリランカの観音

菩薩は大乗仏教の概念なので当然ながら、観音菩薩や普賢菩薩はパーリ語仏典にはまったく登場しなません。スリランカは大乗仏教が根づかず上座部仏教の天下ですが、ナータ(naatha 守護者:観音菩薩)やサマン(samanta 普遍なる者:普賢菩薩)への信仰だけは残りました。

スリランカにおけるナータには以下の八示現があり、考え方が日本の権現と似てます。

1.シヴァ・ナータ:ヒンドゥーの破壊神にして自在力(Shiddhi)をふるう大自在天。

2.ブラフマー・ナータ:ヒンドゥーの創造神にして宇宙原理の人格化である梵天。

3.ヴィシュヌ・ナータ:ヒンドゥーの宇宙維持神にして仏教では那羅延天(Narayana)と呼ばれる神。

4.ガウリー・ナータ:シヴァの神妃パールヴァティー(山の娘)、ガウリーはその異名。

5.マツェンドラ:ハタ・ヨガの創始者のうちの一人。マツェンドラは魚の王の意味。

6.バドラ・ナータ:賢者(=bhadra)samanta bhadraは普賢菩薩だから賢観音といったところ?

7.バウッダ・ナータ:仏の教えを信奉する人(Bauddaha)仏教徒。

8.ガナ・ナータ:仏教団(Gana)。





七難図
札所内某寺蔵 非公開 江戸時代末期 絹本彩色
(七難のはずが八難?) 戻る

七福図
同上 福は多い方がいいですね。
彼岸会で涅槃図、地獄絵図と共に檀徒の教化に使われたものでしょう。

 「わりごどすんなよぉ。わりごどすっど、こげなっぞ(と七難図を示し)。んださげ観音様拝め、えっしょけんめ拝めば、こげだ八ふぐくっさげのぉ」

七難・八(?)福・九相観図で三幅対です。
鞭と飴現世利益と無常観 結局何も成らないことを教えているのか・・・

脱線ついでに九相観図
七難図
戻る







被葉衣観音(チベット系の図像)




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